NY暮らしのあれこれ

アラサー女性のNY生活日記。街歩き、日々のこと、旅行、プチ情報

<コンサート>NY philharmonic ブラームスバイオリン協奏曲は最高、だけど拍手は最後にしてね

ずっと行きたい行きたいと思いながら何となく行けておらずにいたNew York Philharmonic (NYフィル)のコンサート。

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1月末にニューヨークウィークで割引でコンサートが聴けるというので、好きな曲の1つ、Elgar(エルガー) のエニグマ変奏曲がプログラムにあったので初めて行った。とっても良かった、オケ演奏を聴く機会は、そういえば社会人になってからはほとんどなかった。オーケストラの演奏に心が満たされた。去年にシカゴ交響楽団のコンサートを聴きにカーネギーホールにも行っていた、それ以来だが、その前は本当に10年位オケの生演奏は聴いていない。

 

そしてそれから、コンサート情報や割引のメールなども届くようになり、かなり行く敷居が下がった。そこで今回行ったのが、ブラームスのバイオリン協奏曲の回だ。今回のコンサート、涙が出るほど感動したのと同時に、驚き呆れるショッキングなこともあった、後述する。

 

ソリストはJanine Jansen.

パンフレットのbiographyを見ると東京での演奏の経験もあるらしく、けっこう人気の若手の女性バイオリニストらしいことがうかがえた。

 

始まると、すぐに演奏に弾き込まれた。私は、オーケストラ席のほとんど最後列だったが、ここまでよく響いてくる。とにかく、涙腺が緩みそうになるくらい感動した。ソリストの魅力とオーケストラの迫力と。オーケストラの演奏でこんなに感動することはなかなかない。注意 )オーケストラの演奏をここ近年で聴いたのが今回入れて2回だが。バイオリンコンチェルトは人生でもしかしたら初めてかもしれない。でも、このコンサートは本当に行ってよかった、心に残る演奏だった。

 

そして、1楽章にあるcadenza(オーケストラの演奏が止み、ソリストが自由に華麗に妙技を発揮する演奏部分のこと)は、いくつか種類があるらしく、今回はJoseph Joachim’s cadenzaを演奏、とパンフレットにあった。けっこうな長さがあり、とても技巧的で魅力的だった。

最後はほぼ全員が立ち上がり、スタンディングオベーション

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しかしこのコンサートでショックなことがあった..なんだなんだ、観客達の拍手マナー。これが驚くのと、拍手でじゃまされてしまった部分がそれだけにかなり残念だった。ブラームスのバイオリン協奏曲、3楽章に分かれているのだが、通常、楽章に分かれている曲では拍手は最後の楽章を終えて、指揮者が手を下ろしたら行うものと理解していた私。全ての楽章合わせてその曲を形作っており、楽章の間の、間も音楽の一部と思っていた。

 

しかしこの日..1楽章が終わると、パラパラと始まった拍手が大きくなり、もちろん一部の人だが結構な人数が普通に拍手していた。この時点で、ん?...いやな予感は的中。最悪なことに2楽章と3楽章の間にも拍手がわき起こり。

 

この曲をご存知の方はお分かりだろうが、2,3楽章は間を空けずにほぼ連続して演奏される。3楽章は勢いよくソリストが駆け抜けるようにして始まる。緩急の落差が急に起こることでさらに聴くものは惹き込まれ、その楽章間の絶妙な間とバランスがこの曲の美しさをさらに引き出している。というくらいなことをYouTubeのいくつか演奏聴くたびに思ってるのだけど。

 

しかし...観客が拍手でその間をかきけしたーーー! 

 

指揮者も、楽章の間の余韻や、間の取り方は芸術の一部として、考えているのではないのか。これでは、楽章の始まりも、拍手が邪魔になり本当に入りたいタイミングがとれず、致し方なく拍手が止むのを待って指揮棒を振り美しい繊細な音が始まる..いうこともままあるように思う。

 

呆れと、怒り。誰がここで拍手すんねん。コンサート聴きにくるならそのくらい学習しとき(涙)

 

日本だと、周りの空気も読んだりもあるのだろうけど、間違って拍手したことに気づいてハッとする人はいても、さすがに拍手をこのタイミングで勢いよいのが客席各地で勃発するようなことは起こらないのではないか。拍手は観客が好きな時にしていいっていう、カルチャーなのかな..

 

わたしにはnyphilは初心者なので、分からないが、普段もこんななのか? 楽章間で普通に拍手する人がそれなりにいて、驚きと、呆れと、これはマナーの欠如なのでは、と、ニューヨークはこのような人が一定数わりと多めにいるのだということを憂いた。

 

コンサート開始前に、携帯の音を消せ、というアナウンスがあるが、もう一つ、楽章に分かれている曲は、楽章の間は拍手をせず、最後の楽章が終わって指揮者が前を向いてから拍手をしましょう、というアナウンスを入れたらどうか。いや本当に。(後日、別のプログラムを聴きに行った時も、ほぼ間違いなく楽章の間で拍手が...このカルチャーは好きになれないよ)

 

ソリストが良くてめちゃくちゃ感動してたから、まさか3楽章前で拍手に演奏が邪魔されるなんて、悔しかった。もう一回拍手無しバージョンが聴きたいな。

 

 

そして話は変わって今回のコストが驚き、割引でなんと20ドル。うそでしょう。前回ききにいった後に来たお知らせメールに席限定の割引のお知らせ、Project19という19人の音楽家の特集のコンサートが$19プラスfeeという。買います。通常価格だと後列でも50ドルくらいだろう。

それでも通常価格としてもこの質の高いオーケストラの値段としてそこまで敷居が高くない。すばらしいな、芸術、音楽の機会。

 

大満足だったので、またnyphilは滞在中に、聴きたいプログラムがあったら行きたいと思う。拍手は一曲の最後の最後にお願い。

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